第2話

2/12
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
病院勤務を17時に終え、姑の家に向かう準備をする。 自宅から少しだけ離れた、隣町にある夫の実家は、世田谷にあり、豪華な一軒家が軒並みそろえる一角にあった。 三階建てに住めるなら、ヘルパーでも雇えばいいのに……。私を扱き使うだけ使って、一銭もくれない。強欲な姑。 私達の家を購入した時に、頭金を出して貰ったので、逆らえないのが頭が痛い。 今思うと夫は、介護の世話を押し付けたいのもあって、結婚を急いだ気もする。 現に結婚するまで義理父には一切会わせて貰えなかった。呆けていると知られたくなかったんだろう。マザコン亭主のことだ。ありえなくはない。 駅の近くのスーパーで、少し高めの食材と姑の好きなチーズケーキを買い、急いで向かう。 セキュリティーが万全な、監視カメラ付のインターホンを押した。 ――ピンポーン。 「朋子さんね、お入りになって」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!