第2話

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 3階建てで、赤茶色のレンガ調のこの家は、3階は姑の洋服やバック、靴、時計など、ブランド品の数々が眠っている。 2階は姑の寝室やちょっとしたパーティーが出来そうな16畳の部屋。一階はお風呂、トイレ、キッチン、リビング。 そして居間と少し離れた、かつては物置部屋だった、暗くじめじめしたこの部屋には、頑丈な鍵が取り付けられ、義理父の部屋になっていた。 「チーズケーキ買ってきてくれた? いつも楽しみにしてるのよ~」 「勿論ですわ、お母様。どうぞ、召し上がってくださいな。お紅茶も今お入れしますね」 「リビングでドラマを見ているから、あとで持ってきて頂戴」 いつも着物を着ている姑は、体が小さく、ガリガリで案山子のような手足をしている。 その細い体で、どこに力が有り余っているのか? 義理父、義三を虐待しているのを知っている。
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