第2話

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 ここのキッチンは便利なものが一つある。ウォーターオーブンだ。焼き魚なんかもレンジでチンで仕上がる。片付けも楽で、時間を短縮できる。 肉じゃがを煮込んでる間、バケツに水を入れ、タオルとオムツを準備しておく。冷蔵庫横にぶら下っている黒い鍵を手に取り、義三の部屋に向かった。 頑丈に閉められている扉を開け、8畳間に入るとツーンと糞尿の匂いで充満していた。 ゴホゴホッっと毎度咳き込みながら、小窓を素早く開け、オムツだけは取り替えてしまおうと思った。 「お父さん、いつもと同じようにオムツを取り替えますね」 姑は私が来る週三日は、オムツを絶対に取り替えない。朝からそのままなので、ずっしりとオムツは重く、隙間からは茶色く滲み、漏れていた
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