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「お父さん、お父さんの大好きなマグロのお刺身やシュークリームをお持ちしましたよ! お食事にしましょうね」
消臭スプレー撒いてから、畳の上に料理を置く。今日は落ち着いているみたいだ。たまに鬼の姑、絹と間違えて異常におびえ、着替えさえも間々ならないこともある。
そんな日は延長延長で、なかなか帰らせてもらえない。夫は勿論、妻がいくら遅くなろうとも、自分の両親の事だから、夜の食事が出なくても、一切、何も文句は言わない。
なんならそんな日は、いつも帰ると部屋に篭ってしまうくせに、7歳の一人娘、綾とコンビニ弁当を仲良く買いに行く始末。
そんな二人を見ていると、私は益々いらない存在なんだなぁと鬱になりそうになる。
ただゲームの世界だけは、私を必要としてくれているから、必死に耐え、ボーダーラインは超えていない。
小皿にちょこっと入れた醤油にマグロを漬け、義三の口に運ぶ。
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