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「あ……あの……っ……ちが……!!
だってあの……っ……ゴメンショコラ…でも……
俺……愛して……っ……ゴメ………」
耳まで真っ赤になりあたふたしながらも一生懸命な茶鉄に、
ショコラはクスリと笑みがこぼれた。
「なーんて。
茶鉄サンのことはショコラもよーくわかっていますカラ。
なんだかんだでそんな茶鉄サンがショコラは可愛いんデスヨ」
ニコリと微笑むショコラに、
嬉しいよりも何故か無性に男として情けなく感じ、血がザワつく感覚を覚えた。
「……頭きた」
「え?」
ぐっとショコラの腰を掴み引っ張ると、
そのまま自分の足の間に強制的に座らせる形になった。
ショコラの手には依然掴まれたままの布団が一緒に竿から引っ張られ、
ギリギリ掛かっている状態。
「茶鉄サン、布団………」
「今は布団より俺のこと気にして」
茶鉄の顔がなんとなくムッとしているような……イジけたような感じに見え、
どうしようもないくらいの愛しさで胸がドキドキした。
「……スキ」
「!!」
突然の思いがけない愛の言葉に背筋がゾクリとした。
「……腹立つ……いっつもショコラばっか大人で……冷静で……っ……俺ばっかこんなんなって………ほんと……ほんとはすごく……壊れるほど抱き締めて……愛して……めちゃくちゃにしてやりたい…っ……」
思わず出てしまった言葉にはっとし、すぐに言葉を続けた。
「ゴメ……ッ……乱暴になんかしな……大事で……ショコラがすごく……だから大切に……愛したい…………です」
しゅんとした子犬のようにショコラの顔色をチラチラ伺う茶鉄の頬に、
思わずちゅっと口付けた。
「ショ……」
「乱暴は嫌デスケド……
壊れるほど愛されるのは……嫌いじゃないデス……
好きな人にめちゃくちゃにされてみたいって思うショコラは……イケナイ子デスカ?」
そんなイヤらしいおねだりをされているように錯覚してしまうほどの破壊力を見せつけられた茶鉄の欲求は、
もう我慢の限界をとうに越えていた。
「すっげぇイケナイ女だろショコラ、お前……
ほんとヒドイな……こんなに俺のこと誘惑しまくって……男のプライドガタガタ」
「そんなヒドイ女なショコラはキライ?」
「……困ったことに……すっげぇ好き。
死ぬほど愛してる……だから……ショコラ……
めちゃくちゃにしても……い?」
ショコラはその問いに答える代わりに、
潤んだ瞳をゆっくりと細めて優しく微笑んだ。
──終わり
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