見えない壁

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抜けられない透明の幕。 ただ、自意識過剰なダケナンダヨネ。 深く考えると叫びたくなるから、考えずに眠る。 忙しい母は、掃除した部屋には気がつかない。 気付いて欲しくてやってるわけでもない。 ただ、掃除しなかった日だけ、『今日は、片付いてないのか…。』 と呟かれると気持ちが、ズンっと重くなる。 いつからか、私の仕事になっていたんだね。 誰がしてもいいハズなのに。 また、ポツポツと雨が降って来たのか、湿った香りが流れ込んで来た。 伊織は、写真部だからその日によって帰宅時間が違う。 全ては、気分次第。 その自由さが、長女特有の生真面目さがどうしても抜け無い私には、眩しい。 別に、自由でもワガママでも良いのにね。 そんなに、誰かが困る程のワガママなんて言え無いのに。 平穏無事が、好きだから。
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