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五人いた仲間達は既に捕らえられていた。
やつらは油断していたんだと、自らの手足、頭の先、目線の一つにまで神経を尖らせて『ソレ』と対峙していた。
こちらの油断、呼吸の隙をいつまでも待つかのように、『ソレ』は視線を離してはくれない。
仲間を助けなくてはいけないのに。そしたら一斉に逃げ出す。その仲間達だって、助けに来るのは今か今かと彼に視線を向けていた。
あと十歩も無い距離だ。だが、一歩ーー否、一挙手一投足が死に繋がる。だからこそ、緊張を湛えた呼吸さえも押し殺し、吐いた瞬間に揺れる肩の動きすらも見せないようにしていた。
『ソレ』が、諦めて彼に背を向ける。そして、その隙ーー彼が動く事を許される唯一の呪文を『ソレ』は唱える・・・
「だーるーまーさーんがころんだ!」
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