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「も、申し訳、ありません……」
意気消沈し、布団を被ればふ、と思い出す
「あの、永倉組長?先程の『収めろ』とはいったい…」
「あ?あぁ…お前の殺気。驚いたぜ?
様子見に来たら部屋からとんでもねぇモンがダダ漏れだし
思わず鳥肌立っちまった」
カラカラと笑いながら腕を擦る
「……申し訳ありません」
「いや、大丈夫だ。ま、俺じゃなかったらぶっ倒れてたろうな
お前、けっこうやるな」
「いえ…そんなことは……それに負けは負けです」
新八は純粋に褒めていた
先程の殺気といい、土方との打ち合い
まさかこんな小さな童があれほどの腕前とは…
しかし、新月にとっては慢心ゆえの結果、けして喜ばしいものではなかった
項垂れる頭を優しく撫でれば目を細め顔が綻ぶ新月
ふ、ほんっと誰かにそっくりだな
撫でられて喜ぶとか、ほっとけねぇとことか特に…
暫くの間、部屋には穏やかな空気が流れていた―…
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