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ふ、と痺れる手に視線をやったその瞬間
バシッ
「ぅ、あっ!!」
持っていた木刀はカラン…と乾いた音と共に床に転がる
「それまで!!」
………やってしまった
あれほど油断してはならないと言われていたのに
クッ……と唇を噛み
「ありがとう、ございました―――」
目の前の相手に一礼をすると後ろに下がった
赤くなりジンジンと痛む手をさすりながら先程の自分を振り返り、反省する
油断大敵
敵を対峙するときに余所見など言語道断
あれが実践ならば自分はもう、ただの屍となっていただろう…
せっかく、ここまで来たんだ
必ず、入隊しなければ―――
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