第1話

3/12
1824人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
ふ、と痺れる手に視線をやったその瞬間 バシッ 「ぅ、あっ!!」 持っていた木刀はカラン…と乾いた音と共に床に転がる 「それまで!!」 ………やってしまった あれほど油断してはならないと言われていたのに クッ……と唇を噛み 「ありがとう、ございました―――」 目の前の相手に一礼をすると後ろに下がった 赤くなりジンジンと痛む手をさすりながら先程の自分を振り返り、反省する 油断大敵 敵を対峙するときに余所見など言語道断 あれが実践ならば自分はもう、ただの屍となっていただろう… せっかく、ここまで来たんだ 必ず、入隊しなければ―――
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!