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「あの…さ、俺と…」
不意に颯大くんが言葉を口にする。
「えっ?!」
「あ…無理ならいいんだ…無理なら…」
「え!!」
私…笑顔に見とれてた…今…何て…?
「いや…いいよ…」
颯大くんが下を向いてしまう。
どうしよう…怒っちゃったかな…
何か大切なこと言いかけたんじゃ…
「違うの…今…見とれて…」
「え…?見とれた…?何に?」
颯大くんが勢いよく顔をあげて聞いてくる。
「!」
私!何言ってるんだろ!笑顔に見とれてたなんて…言おうとして…
「…」
急に恥ずかしくて恥ずかしくて下を向いた。
だんだん顔が紅潮していく…
「あの…愛菜ちゃん?」
ドキンドキンドキン
鼓動がうるさい。
ああもう…!
「違うの!
あなたの笑顔に見とれて聞こえなかったの!
だからもう一度言って!」
「え!」
「…」
「…」
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