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「愛菜ぁ!
颯大くんS大学の推薦受けるんだって?」
美鈴が塾の教室に入るなり勢いよく小走りして来た。
塾の一室、高3の12月。
推薦入試が始まっている大学もある。
一般入試はセンターに向けて追い込みの時期。
「よく許したね~
遠距離ダメっていってなかったぁ?」
美鈴は前の空席に座り振り向いた姿勢で私の顔をのぞき込んでくる。
「え…」
うそ…S大…?推薦?
知らない…そんな話…
「S大の推薦かぁ…
颯大くん頭いいねぇ…
あ、S大学って新幹線で2時間くらいかかるよ~
ウチだったら寂しくて絶対に無理~」
美鈴が顔を伏してイヤイヤするみたいに顔を左右に振っている。
「…うん…」
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