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ピョコと後ろの扉から顔を覗かせる。
「…あれ…?いない…」
「愛菜ちゃん、今日は颯大まだ来てないよ~?」
単科クラスの男の子から声がかかった。
「ありがとぉ」
…なんだ…まだ来てないのか…。
ため息を一つついて、
自分のクラスに戻りながらパカっと携帯を開く。
周りはみんなスマホだけど私はまだガラケー。
だって…新しいこと苦手。
慣れたものがいいもん。
そんな私を颯大は笑うの。
―受信メール0件―
「…ない…」
どしたんだろ。
休むときはいつもメールくれるのに…
結局、講義に身が入らないまま、颯大はこないままその日の塾は終わりの時間を迎えてしまった。
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