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「行ってきまぁす!」
玄関のドアを後ろ手で閉めて門を開けながらトントンと靴を履く。
歩き出そうとふと顔を上げた瞬間、近づいてくる人影に気がついた。
「…あ…」
「おはよ」
目の前に立っていたのは颯大だった。
私は信じられなくてその場に立ち尽くしてしまった。
「…颯大…?」
「…連絡できなくてごめん。大学卒業後にこっちにくる手続きとか色々あって…」
颯大は恥ずかしそうに鼻の下をこすっている。
「…もう電話や手紙で我慢しなくていいの?」
「ああ…」
「春からは…一緒にいられるの?」
「もちろん」
「ずっと?」
「ああ…ずっと一緒にいよう」
「颯大…」
「愛菜…」
私達はどちらからともなく引き寄せられるようにしっかりと抱きしめ合った。
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