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帰宅20時。悦楽に溺れた私は少々帰りが遅くなってしまった。この時刻だと、夫と娘はコンビニ弁当でとっくに食事を済ませているだろう。
ヨーロピアンスタイルの黒のコラゾン門扉をそっと開くと、キャラメル色の大きな扉がすぐ目の前に現れる。銀色の鍵を差込み、静かにドアノブを回した。
「ただいまぁー! 遅くなってごめんね!」
リビングには、ふかふかな白いソファーに座り、娘の綾がアニメ番組を見ていた。
中身を食べつくしたプラスチックの容器がテーブルに転がっている。
「お母さん、お帰りなさい! もうお父さんと一緒に御飯食べちゃったよ! お風呂も、もう入った!」
「ごめんね、お母さんも急いで御飯食べなくっちゃ! 遅くても21時には寝るのよ」
「はぁーい!」
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