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自分の身体を両手で支え、僅かに隙間を作って
向き合った形で互いの視線が交差した
艶っぽい彼女の顔に
瞳孔の中に隠し見えるのは
「…やめよう、か」
この言葉で崩れそうになった表情
を、一瞬のうちに元に戻して
「なんで…」
さっきまで互いに擦り付け合っていた動きは
完全に静止していて
音もなく、あるのはブルーグレイの色だけ
言ってしまってから
耐えられるのか、とか
挿入してから気付けば良かった、とか
邪心がかすめたけれど
気付いてしまったもんは、しょうがない
「だって……震えてる」
これだって
言っていいのか分からなかったけれど
傷つけたい訳じゃない
まぁ、おおよその見当がついている
から
ヘコむけれど…
一時の快楽に流されてしまったら
二度と、彼女に触れられないような気がした
フリーズした彼女から身体を離して
取りあえず
火照ったモノを抑えないとと
バスルームに逃げ込んだ
シャワーを捻る前に聞こえたような気がするのは
自嘲するような笑う声
程なく落ち着いたソイツと折り合いをつけて
出た頃には姿が見えずに
ドアが閉まった音だけ
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