揺らぐ男

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肩より少し長い髪 鼻筋が通って、薄い唇 綺麗に整った二重の瞳は少しだけつり目で 出掛ける時はスーツを着こなし 帰宅すればTシャツ姿で惑わして この距離がもどかしくもあり それでも 近付けないこの距離感を楽しんでいる自分もいて 暗闇の中に身を潜めて 彼女の姿を眺める事が許される時間 彼女の存在に気がついたのは半年前 仕事を終えて疲れきった身体で、自宅付近のコンビニで晩飯の弁当と缶ビールを調達して 料理なんか出来るはずもない 調理器具も不必要で、一人暮らしを始める時に買いもしなかった 自由気ままな男一人  たまに会う尻軽女に身体だけ満たしてもらえば、不自由さなんて感じられなかった コンビニ袋を片手に数メートル歩いてから、煙草が切れそうな事を思い出して ポケットの中を探り、取り出して開いて見れば残り数本 面倒くせぇ 舌打ちして今来た道を仕方なく戻り、コンビニの自動ドアを抜けて 左肩に軽い衝撃 目に入り込んだ俺より少しだけ低い長身の女
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