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表示された名に眉間が寄ったのは無意識
隣の奴に肘で小づかれながらの通話開始
「ねぇ、今日あえないかな?」
第一声がコレ
「電話くれないんだもん」
予想を裏切らないソレ
甘える声はいつもと同じ
それが可愛らしいとは思うけれど
浅く深くの付き合いなのは身体だけで
それも暇つぶし程度
自慢出来るような端正な面構えでもなく
それをカバー出来るほどの優しい男でも無い
取り柄と言ったら身長くらいで
そんな俺にでもこうやって誘いがきて
健全な男には逆らえない性な訳で
「いつもの所で」
都合良く彼女の淡心は奥底の引き出しに閉まって
それこそ都合の良い男の出来上がり
待ち合わせ場所に向かいながら
週末はお向さんはどうせ留守だし
男といるのか
なんて、卑屈になってみたりして
グダグダ感に自己嫌悪しながらも、着いた先には手を振って待ち構えてた女
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