428人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、私は空港まで出向き、センセイを見送った。
「帰国したら伺います。それまでおとなしくなさい」
搭乗口の前でキスをする。恋人みたいだった。誰も不倫カップルだとは思わないだろう。僅か数日の別れを惜しむ。
「センセイ、クリスマスプレゼント」
「何ですか」
「香水。センセイの香水が欲しい」
「分かりました。買ってきましょう」
「嫌。今すぐ」
「全く」
センセイは苦笑いをして鞄から丸く平たいアルミを出した。直径は3センチ位。使いかけだと私に差し出した。私はそれを受け取り、もう一度キスをしてから先生を送り出した。
最初のコメントを投稿しよう!