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それから空港近くのホテルに移動した。ダブルの部屋、センセイはドレス姿の私をまじまじと眺めた。何度もキスをし、離れない。服も脱がさない。 「センセ……」 「勿体無い。まだ脱がしませんよ」 キスだけで腰が抜けそうになる。必死にセンセイの背中にしがみつく。センセイは何も言わなかった、私も何も言わなかった。奥さんと別れるとも、奥さんと別れてとも言わなかった。二人で唇を貪る。木曜の夜にあんなに抱き合ったのに足りない、抱き合ったからこそなのかもしれない。 「駄目、センセイ。もう」 私が根を上げてベッドになだれ込む。
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