第四章

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陽の光が、格子窓から射し込んでいる。 沙月は震えの止まらぬ手で、棚から小瓶を取り出した。 ……薊の茶碗に、中の液体を混入させる。 「母上、何かお手伝いすることはありませぬか?」 背後で薊の声がして、沙月は思わず持っていた瓶を床に落としてしまった。 ガシャーンと、瓶が割れる音が響く。 幸いなことに、中にあった液体は既に空だったので、床にばら蒔かれずに済んだ。 「大丈夫ですか!?」 慌てたように薊は沙月に駆け寄ると、屈んで割れた瓶の破片を拾い集めた。 「だ、大丈夫よ……ごめんなさいね薊…」 沙月は手の震えを必死に押さえようと、左手で震えている右手の甲を摘まんだ。 ――薊は、残すことなく、朝食を食べた。 何も不思議に思わなかったのだろうか…… 沙月は黙々と箸を口に運ぶ薊を見て、そう思った。
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