第五章

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「……やっぱり、俺を殺すの?」 「………」 「……殺すんだね……」 「私は鬼だ。鬼に心は無い。だからお前を殺す」 薊は、感情の無い無機質な声でそう告げると、刀を上段に構えた。 「――私が怖いか」 薊の問いに、少年は静かにこう答えた。 「怖くないよ」 「――え?」 薊は驚く。いつもとは違う返答に戸惑った。 「……お兄ちゃんは鬼なんかじゃない。こんなに綺麗な鬼、きっといないよ。俺、お兄ちゃんになら殺されてもいいよ」 少年は愛らしい笑みを浮かべて、そう言った。 🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸 その少年は、度々薊のもとへ訪れるようになった。 薊は仕方無く、彼の遊び相手になってやっていた。
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