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「わっ!!」
少し強めに押されたから体が傾く。
うわ、袴だったら動きやすいのに着物だから……。
近付いてくる床と転んで居るであろう未来の自分を想像してギュッと目を瞑る。
「夏香?」
目を瞑った私の耳に聞こえてきたのは総司の少し不安げな声だった。
ゆっくり目を開けると目の前には総司の着物。
転びそうになった私を受け止めてくれたという事がわかった。
「夏香だけど……?
どうかした?総司。
あ、受けとめてくれてありがとう」
「いや、別に平気だよ……」
?
どうかしたのかな?
何か総司が口数は少ないし可笑しいんだけど……。
やっぱ私が何処か変なのかな?
「総司?
何か可笑しい所でもあった?
まぁ、似合っては無いから返答し辛いとは思うけどさ」
私がそう言えば総司は少し疲れたように笑う。
「はぁ……自覚無し、か。
大丈夫、可笑しく無いよ。
似合ってるから安心しなよ。この僕が褒めてるんだしね?」
最初の方声小さくて聞こえなかったなぁ……。
ってゆか、“この僕が褒めてるんだしね”って総司は俺様ですか!?
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