404人が本棚に入れています
本棚に追加
「夏香、少し屈んでくれる?」
総司に言われた通り、少し屈んでみれば頭に何か違和感が……
「何したの?」
「簪だよ。
僕からのプレゼント!」
その言葉に私は慌てる。
「え!?
でもこの着物も買って貰ったし…」
「あぁ、着物は土方さん達からだよ。
この前、入隊試験に向けて剣術を頑張ったのと普段男装させちゃってるお詫びだってさ」
予想していなかった人の名前に驚く。
えぇ~、土方さん入隊試験で私のこと落とそうとしてたのに。
「クスクス、何か言いたそうな顔してるね?
取り敢えず、店を出てからね」
そう言って総司は支払いを済ませ、私が来ていた着物を受け取ると私の手を引いて外へと歩き出す。
私が転ばないようにゆっくりと。
「大丈夫、速くない?」
「平気だよ!
それにしても、着物って初めてなんだよね~」
動き辛い、そう言うと総司はまた笑う。
「我慢しなって!
夏香が動けなくても僕は動けるから、もし敵が来たら僕が護ってあげるしね♪」
最初のコメントを投稿しよう!