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平助の言葉に従って、私は近藤さん達の所に向かう。
「近藤さん!!」
「ん?おぉ、平助に夏香君か。
着物姿、似合っているよ」
「本当に綺麗ですよ、夏香さん」
「ありがとうございます♪」
近藤さんと山南さんに褒めて貰えた私は機嫌が良い。
ご機嫌なまま、料理に手を着ける。
「ん~!!
源さん、すっごく美味しいです!
これ、源さんが作ったんですよね?」
「そうだよ。
喜んで貰えて何よりだ!
だが、あんまり慌てて食べると折角の綺麗な格好が汚れてしまうよ?」
そう言ってニコリと笑う源さんは凄く紳士的だと思う。
「わかってますよ!
折角、近藤さん達が下さった着物なんですから汚すなんて馬鹿な真似はしませんよ」
私が笑って言えば源さんは納得したように笑ってくれる。
「……夏香」
控えめに声をかけてきたのは一。
「どうしたの一?」
「いや、似合っている。
それと今度は俺と共に町に行かないか?」
「一と?
別に良いけど……」
私がそう答えれば少し。
ほんの少しだけど、一は頬を緩めた。
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