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「其れが今じゃ、京に来て“新選組”をやってるだなんてな……。
あの頃からじゃ、考えられねぇ。
俺は組の為に邪魔な奴を斬り捨てて、鬼になって。
今や“鬼の副長”と呼ばれてらぁ。
芹沢達を殺してまで成したかったことの筈なのに、今になって迷うなんてな」
聞き役だった私も其処で口を挟む。
「芹沢達は組の為に自ら礎となることを選んだ。
只、其れだけの事です」
「そうか。
お前は未来から来たんだもんな……。
芹沢達の事を知ってても不思議じゃねぇか」
私の言葉に土方さんは何処か寂しげに頷く。
……土方さんは本来とても優しい人だ。
だから近藤さんや山南さんの為に自ら鬼になることを選んだ。
ごめんなさい、土方さん。
独りで全て背負わせてしまって。
これからは私も一緒に背負いますから。
「……土方さん。
私は新選組を救って見せます。
悲しい歴史の流れから、少しでも良く変わるように。
これから、何かあったら私にも話して下さい。相談に乗るくらいなら出来ます」
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