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「“島原”?」
え、島原ってあの女の人が沢山居る?
「あぁ。
芸子として潜入してくれねぇか?
最近、長州の活動が活発になってきていやがる。
そいつ等が島原で会議をやってるっつー情報を手に入れたんだけどな」
「長州……?
って、今何月です!?」
待って、まさかもう?
池田屋が近付いてるんなら総司が……、平助も新八も……。
まだ何するか全然考えてなかった。
「今?
確か、皐月の始めだぞ」
皐月って事は五月か……。
池田屋事件が起こるのは六月五日。
後、一月しかない。
「何だよ。
何かあんのか?」
私の様子に気付いた土方さんが訝しげに問う。
「まだ、確証はありませんが史実通りなら一つ大きな事件が。
近くなったら詳しくお話ししましょうか?」
「……頼む」
池田屋事件。
京を火の海にし、要人を誘拐、暗殺しようとした長州を新選組が止める。
新選組至上、一番大きな事件と言っても良い。
でも、それは同時に新選組が崩壊への道を進む第一歩にもなってしまう。
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