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「ありがとうございます~。
せやけど、ウチなんて全然やで?姐はん方にはまだまだ適いまへんて」
「廓言葉もばっちりやな!
鈴(スズ)、頼んだで!!」
女将さんはそう言うと私を禿の子に連れて行かせる。
此処の遊郭の人は新選組贔屓らしい。周りにはそれがバレない様にしているらしく、長州がよく使うみたいだから情報が手に入りやすい。
「お鈴ちゃん、ありがとう」
「ううん、ウチは大丈夫。
姐はんも頑張ってね?」
来たばかりなのか、まだ上手く使えて無い廓言葉が可愛らしい。
「姐はん、もう少しで着くから、心の準備は大丈夫?」
心配そうに見つめてくるお鈴ちゃんの大きな瞳。
「フフ、大丈夫。
さ!案内して!!」
安心させる様に笑ってお鈴ちゃんの頭を撫でる。
大丈夫。
だって、総司と平助も居るもんね~。
此処に来る前に、土方さんが私の任務を説明したら真っ先に総司と平助が反対した。
何を言っても反対するし、自分が着いて行く!って言い出したから土方さんが折れて、護衛なら。と許可を出した。
二人は今、遊郭の前に用心棒として居る。
二人は顔が割れてると思ったから少し変装させたけどね♪
丞は屋根裏で見てるらしいしね。
この人選で不安に思う事なんて無いでしょ!!
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