五月病監察と初任務!!

9/30
前へ
/443ページ
次へ
「此処や!」 ある部屋の前でお鈴ちゃんは止まった。 「ありがとう、案内してくれて。 じゃあ、お酒をお願い」 そう言ってお鈴ちゃんが取りに行ったのを確認すると、私は顔を引き締める。 ……運が良かったみたいで今日は長州が来ていた。 地位のある奴か下っ端かは知らないけど、引き出せる情報は全部吐かしてやる。 『夏貴、行くよ?』 (舞など、困ったら僕に代わって下さい。 一通りは出来ますから) 夏貴の言葉に頷いてから襖に手をかける。 「失礼しますぅ。 夏風申しますー、入ってもよろしいでしょうかぁ?」 媚びを売るような甘い声を出し、部屋に居る奴を見る。 部屋に居るのは五人、か。 「お~、やっと来たのか! 待ちくたびれちまったぜ!! さ、酌してくれよ」 少し頬を赤らめ、派手な着物を着た男が話しかけてくる。 「はい、只今ぁ~」 笑みを作り、男に近づいていく。 「姉ちゃん、別嬪さんだな~。 俺の嫁にならねぇか?」 ……は?
/443ページ

最初のコメントを投稿しよう!

403人が本棚に入れています
本棚に追加