404人が本棚に入れています
本棚に追加
「……眠い」
目をこすりながらそう呟くのは明るめの茶髪を肩くらいに揃えてふわふわとさせている人。
……この人、可愛いんだけど。
え、何この小動物感!!
頭撫でたいなぁ~。
ニヤケそうになる顔を必死に抑え込んで話を繋げる。
「あらまぁ、この部屋の皆はんは美丈夫やねぇ。
御名前教えて欲しいわぁ~」
これも情報の為。
そう自己暗示をかけつつ、さっきの派手な着物の男に縋ってみせる。
そうすれば男は豪快に笑ってみせる。
「そうか、まだ名前を言ってなかったな!
俺ぁ、高杉晋作だ!!」
その名前を聞いた途端。
私の思考は停止した。
ん?
高杉晋作?
って、あの奇兵隊の??
じゃあ、もしかして此処に居る他の人は――。
「俺は吉田稔麿。
馬鹿牛が迷惑かけてると思うけど頑張ってね」
「私は桂小五郎です。
すまないね、うちの晋作が迷惑をかけて」
「久坂玄瑞と申します。
以後お見知り置きを」
「入江…九一……」
やっぱり。
当たりだ、この部屋!!
幕末の長州に欠かせない人が集まってる。
松下四天王に逃げの小五郎か。
時代を動かすには丁度良い。
一番に解決しないといけないのは、池田屋が近いし吉田稔麿かな……。
最初のコメントを投稿しよう!