牽制と終焉

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「蓮、昨日は楽しかった?」 先ほど私の家に来た凛さんは、上着を脱ぎながら昨日の女子会の事を聞いた。 「あ、うん。楽しかったです。すみません、いきなり会いたいとか言って。」 「いや、いい。そんなに俺の顔が見たくなった?昨日会ったのにもう禁断症状?」 「ははは、ソウデスネ。」 私の目線が定まらない様子を見て、凛さんが不思議そうに顔を覗き込んでくる。 「何か…あった?」 そう聞く凛さんの顔は本当に心配そうだった。 私は息を吸って気合を入れてから、思い切って本題へと移った。 「あの、ちょっと聞きたい事が。環さんの事で。」 そう言うと眉が少し顰められる。 「なに?何かあったの?」 「えっと、怒らないで聞いて下さいね?」 「嫌だ。内容によっては怒る。」 「……。じゃあ質問を変えます。凛さんって男の人も抱けますか?」 ぶっ!という音を立てて、私が出したお茶を吹き出す。 「んな、どうしたのいきなり。」 「ちょっと風の噂で、凛さんが両刀だと聞いたもので。」 「……。信じたの?」 「え!?イヤ、どうかな―と思って!!あ、でも別にそういう愛の形もあるのかもしれないし私は知らない世界なだけで別に抵抗とかはありませんけど!!」 「ちなみに、環さんの話とどうつながるの?」 おそるおそる聞いてくる凛さんの瞳は影が射していて怖い。 「その、環さんとできてるって…悪まで噂……。」 「……。」 何故か黙り込む凛さん。少しずつ不安になっていく私。 「…絶対誰にも言わない?というよりも気分悪くするかもしれないけどそれでも聞く?」 「…はい。誰にも言いませんし大概の事なら大丈夫かと思います。」 「実は俺と環さんは付き合っていた事がある。」
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