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この時点で頭をバットで殴られたような衝撃があった。
もう少し徐々に、小出しにとかできないのかしら。
「でも、別に肉体関係があった訳じゃなくて、フリみたいなものだから。
俺は女を遠ざけるために男と付き合っているって噂が流れるのは悪くないと思ったし、環さんは彼女と別れたばかりで少し荒れていたからその慰める役として傍にいたんだ。」
「あの…環さんってもしかして。」
「そう。彼はそれこそどっちも大丈夫な人。いわゆる両刀。圧倒的に女好きだけどね。」
新たな事実にポカ―ンとしていた。もう未知の世界。
「あの、環さんは凛さんの事好きだったんですか?」
「どうかな。気に入ってはくれていたみたいだけど。
執着するような関係じゃないよ。
今でも仲が良いし、さっきもいったように両方行けるっていうだけで、男より圧倒的に女の方が好きな人だから、その後も環さんにはすぐ彼女はできたし、俺たちの契約みたいな付き合いもすぐに終わった。
まぁ、環さん長くは続かなかったみたいで何度か彼女変わっていたようだね。」
「……。なんだか凄い事を聞いてしまった気がする。」
「まぁ、そうだね。でも俺の男色家の疑いは晴れたのかな?」
「は、はい。すみません何かエネルギー使わせて。」
「ていうかさ、今心配する事は俺と環さんの関係じゃ無いけどね。」
「私…ですか?」
「しつこく言うようだけど、環さんは絶対次も誘ってくるよ。あの人、気の無い人には絶対にフリーだって言わない。」
「そうなんですか?」
「元彼の俺が言うんだから間違いない。」
「……。」
内心元彼って……と複雑な気分だった。
「…やっぱり言ってしまおうかな。環さんに付き合っている事。」
唐突に言い出した凛さんは、俯いて思案顔だ。
「え?良いんですか?」
「俺たちの関係云々は別としても、上司に付き合っている事を言うのは少し抵抗があったんだけどね。蓮にばかり気をつけろって言うのは、何だか人任せで他力本願という感じもする。」
そう言って凛さんは何か決意したように頷いた。
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