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(はいはい、今行きますよ~♪)
俺はウキウキ気分で、ステージに向かって早足で歩いて行く。
ステージまでは、僅か5メートル程しかないので、10歩も歩かないうちに、到着した。
そして、俺はステージに架けられた階段に一歩足を乗せてから、改めて上を見上げた。
(ま、眩しい……、いくらなんでも眩しすぎるだろ……)
俺は少しでもスポットライトの光が目に入らないように、片手を上げ自分の両目にかざした。
『さぁ、まもなくグランプリ受賞者のトキオのさんがステージに上がられます!
みなさん盛大な拍手で……
………♪♪♪チャララララ~♪』
(だから照明が眩しいって………、てか、あれっ!)
俺は眩しすぎる照明を遮るために両目をつぶり、尚且つ両手を使って二つの目を塞ぐように覆う。
そして、それと同時に俺は不思議な事に気付いてしまった。
それは、司会者の声に被るようにして俺の耳に聞き慣れた曲が聞こえた始めたのだ。
(ハッ!なんで、こんな時に携帯の目覚ましの曲が聞こえてくるんだよ…?』
俺は不思議に思いながらも、つぶってしまっていた両目をゆっくりと開けてみた。
そして眩しいのを我慢しながら、両目を覆っていた両方の手をゆっくりと外してみる。
すると、俺の視界に入ってきた景色は見慣れた部屋の天井だった。
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