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「起きるとしますかねー」
誰に話しかけるわけでもなく独り言を言いながら、ベッドから立ち上がった俺は洗面所に向かう。
簡単に顔を洗い、変じゃないだろと納得出来るくらいに、髪の毛を水で軽く濡らしてセットする。
「フフッフ~フ~ン…♪」
鼻歌を歌いながら、何日も洗ってないデニムを履き、これまた何日も洗ってないパーカーに袖を通す。
で、靴下を履いてベッドの脇に立て掛けてある愛用の安物のギターケースを手に取る。
そのまま玄関を出て、カンカンカン…と階段を駆け下り駐輪場まで行き、愛車の原付バイクに跨った。
ギターケースを背中に背負ってエンジンをかけると、俺は走り出す。
……あの公園に向けて。
んっ!
俺が誰かって?
そういや自己紹介がまだだったな。
んじゃまずは名前から。
翔んで生きる男と書いて “ 翔生男 ” (トキオ)って言うんだ。
よろしく!
名字…?
忘れちまったな…。
まぁいいじゃんか、名字なんて…。
俺の事は、『トキオ』か『トッキー』とでも呼んでくれ。
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