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押し倒してキスをした。
今まではそこで止まっていたけど、俺だってそんな優しい人間じゃない。
起き上がろうと抵抗する姉ちゃんにキスを落とす…と案の定免疫が無いもんだから、ふにゃっと力が抜けていく。
でも嫌だって姉ちゃんは言わない。
もう全部ぶっ壊してやろうか……なんて考えて、姉ちゃんのボタンを全部外す。
鎖骨らへんにキスしていたとき、姉ちゃんが口を開いた。
「…結霧は……なんでこんなことするの?」
言ってる意味が分かんなかった。
「…なんでって…まさか、されてて理解してないの?」
だとしたら、まずい。
かなりまずい。
こんな強引に事を進めようとしている俺を、まだ弟だと信用していることになるのだから。
「こう…いうのは…付き合ってる人同士がすることでしょ…う?結霧はわたしの…弟なんだよ?…」
「俺は一度も姉ちゃんのことを姉だなんて思ったこと無かったよ」
すんげぇ悔しい。
これでもまだ弟?
ふざけんな。
なんで認めてくんねぇの?
一気に力が抜けていく。
無我夢中でキスをし続けた。
ふと我に返って姉ちゃんの顔をみる。
姉ちゃんは顔をそらして、泣いていた。
もう、駄目かもしんね。
どうやったって、弟。
「俺は、弟なんかじゃないよ…」
俺の声だけが妙に高い天井に響く。
姉ちゃんのボタンを閉めて、そのまま抱きしめる。
「俺は…姉ちゃんを女として見てるんだから、気をつけてね」
一言だけそう言って、自分の部屋に行った。
やっぱ寒い。
ベッドに潜りこんで舌打ちをした。
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