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脱衣室に着くと男は、
さっきと打って変わって
親切に私にタオルを手渡し、
風呂場の使い方の説明をしてくれた。
私は男の変わりように戸惑いながら
「ありがとう」
と、とりあえずお礼を言い、
お風呂に入ろうとしたが
入ることができなかった。
何故って?
あの男が脱衣室から一向に出ていこうとしないから!
「ちょっと出てってよ!
そんなところに居られちゃ
入れないじゃない」
身体に巻き付けた布団をギュッと掴み、
男を睨みつける。
「今さら、恥ずかしがることないだろ」
男は全く出ていく気配はなく、
ゆったりと腕を組み壁にもたれながら
呆れたように私を見てきた。
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