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私は自分の身を守るように
布団をきつく握りしめ
男を睨みつけながら後退り、
距離を作る。
「変な言い方しないでよ!」
「布団、
どこまで持ってくんだ。
別に朝からなんかしようなんて思ってないから早くよこせよ」
後ろに逃げる私に構うことなく
男は一歩、
また一歩と歩み寄り手を差し伸べる。
私は身の危険を感じ、
浴室のドアにへばりつく勢いで後退り、
できる限りの威嚇をしてみせる。
「よく言うわよ!
さっき変なことしたじゃない。
近寄らないでよ!
出ていったら返すから……
早く出てって!」
私は男を睨みつけ叫び散らしながら出ていくように
強くドアの方を指さし促す。
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