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なんだか恥ずかしくなり、
私は隠れるようにお湯に身を潜める。
そして男が脱衣室から出て行くのを確認すると、
私は浴槽から身体を半分だけ出し
思わず口にする。
「どうしよう……」
湯船に浸かりすぎたらしく
逆上せかかっていたが、
どうしても上がる気にはならなかった。
お風呂に入ったはいいが、
上がってあの男とどんな顔をして会えばいいのかが分からなかったのだ。
どんな顔で何を話せばいい?
そんなことを悶々と考えていたら、
余計にお風呂から上がることはできず、
そして私は意識がゆっくりと遠退いていくのを感じ、
完全に手放してしまった。
※
久々に目覚めの良い朝だった――。
休みの日に朝早くから自然と目覚めてしまうなんて事があっただろうか。
確かに昨日は多少とはいえ酒を飲み、
そして彼女を抱いた気だるさを感じる。
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