朝…

20/33

2870人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
でも不思議と嫌なものではなく、 可笑しなことに 心地よい気だるさなのだ。 それにしても、 あんなに一人の女を何度も求めて抱いたのは初めてかもしれない。 いくら抱いても抱き足りないと、 自分の限界を感じても 強く求めてしまった。 その上、 俺は寝ながらも彼女を抱き締めていた。 しかもこんなにしっかり 彼女の身体に腕を絡めて……。 たまに腕枕を要求してくる女はいるが、 俺はあまり好きじゃない。 寝た後の余韻に浸るほど ロマンチストでもないし、 優しくもない。 それなのに今、 自ら彼女を抱きしめ眠っているなんて滑稽としか言えない。 ――もしかして彼女を愛してしまった? いや、 そんな訳はない。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2870人が本棚に入れています
本棚に追加