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一瞬、
彼女が顔をしかめ、
起こしてしまったかと思ったが、
すぐに気持ち良さそうに寝息をたて出すのを見て、
ホッとしながら彼女に布団をかけ、
近くにあるスウェットのズボンだけを履く。
足元には昨日の激しさを物語るかのように
俺と彼女の服が乱雑に脱ぎ捨てられているのが目についた。
俺はそれを横目に静かに寝室を出た。
寝室を出て隣のリビングに行くと、
今度は足元に彼女の鞄が
無造作に落ちていた。
それを拾うと
ソファーの近くにあるローテーブルの上に置く。
ふとローテーブルの上に広げっぱなしにしてある一枚の書類に目をやる。
並ぶ二人のサインに
昨日の事が夢ではなかったのだと確信し、
無意識ににやけてしまった。
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