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不意に嫌な予感が脳裏に横切り、
今度は迷うことなく風呂場のドアを開けた。
「……!?」
ドアを開けた瞬間、
俺の目に飛び込んできたのは
驚きふためいて俺を睨む彼女の姿ではなく、
浴槽から腕をダラリと出し、
力なく項垂れる彼女の姿だった。
その姿に驚き一瞬、
頭が真っ白になってしまう。
でもスルリと彼女の体が浴槽に滑り落ちそうになり、
俺はやっと彼女を浴槽から引き上げることができた。
絹ひとつ身に纏っていない彼女の身体が露になる。
でも、
さっきみたいに欲情する余裕もなく、
ただただ全身を赤く染め
ピクリとも動かない彼女が
心配でならなかった。
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