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これは私の嫌いな、
でもよく知っている感覚。
二日酔いの痛み……
私は痛みを抑え込むように
両手で頭を覆い、
痛さに耐え蹲る。
そんな私を亜酒笑うかのように、
ぐわんぐわんと重く鈍い痛みが
共鳴し合うように続く。
最悪だ……
いつもなら迷わず薬を飲むところだが、
今の私にはそんなことを考える余裕すらなく、
ただただジッと痛みが去るのを待った。
暫くジッとしていたことで
治りはしないが痛みが和らぎ、
ほんの少しだけ
冷静さを取り戻ることができたような気がした。
ハァ……。
ゆっくりと顔を上げると
自分を落ち着かせるように深く息を吐き、
もう一度部屋を見渡してみるが。
やはり全く見覚えのない他人の部屋。
でも私しかいない……
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