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今のうちにコッソリ帰ろうかとも思ったが
私には昨日の記憶がなく、
さすがにそういうわけにはいかない。
いや、
何も知らず帰るのが怖かったのだ。
とりあえずベッドから出てようと、
ゆっくりと身体を移動させる。
そして片足を下についた瞬間、
私は新たな異変に気づくことになる。
「……!?」
驚きすぎて声にならない。
あまりに信じがたい現実に
私の思考回路は停止し、
その場で固まってしまった。
でもパサリと布団が
自然とめくれるように落ち、
停止していた思考回路が
一気にフル回転しだす。
「キャーッ!!」
ショックのあまり私は身体を強張らせ、
声を絞り出す。
自分の耳が痛くなるような甲高い声が
部屋いっぱいに響き渡る。
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