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――だって何も身に付けていなかったから。
慌てて布団をかき集め、
身体を隠す様に布団を巻きつけるが、
今の状況が変わるわけでもなく
裸のまま。
本能的に服を着なければと頭が働き
周りを見渡すと、
ベッドの下辺りに服や下着が
生々しく散乱しているのが見えた。
パニックに陥りながらも一生懸命、
冷静を取り戻そうと努力してみる。
でもまったく記憶がない……。
今、
分かるのはまったく知らない部屋に
裸でベッドに寝ていたことと、
二日酔いで気分が最悪なこと。
そして最悪なことに
昨日の記憶がまったくない
ということだった。
「何これ、
あり得ない……」
いくら冷静を取り繕うとしても
冷静ではいられない。
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