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現実をまったく理解することも受け入れることもできず
呆然と宙を見つめる。
友人の話で聞いて、
あり得ないことだと笑っていた私が、
まさかこんな風に朝を迎える日が来るなんて思ってもいなかった。
いくら現実を受け入れられなくても
私は裸で、
さすがにいつまでもこのままでいるわけにもいかず、
とりあえず服を着ることにした。
布団がめくれないように
しっかりと片手で押さえながら、
もう片方の手を必死に伸ばし
ベッド下に散乱している服を
取ろうと試みてみる。
カタン……
今の今まで全く人の気配がなかったのに、
タイミングを見計らったかのように
隣の部屋の奥の方で小さな物音がする。
その音に過剰に驚いてしまった私は
バランスを崩しベッドから滑り落ち、
物凄い音と共に身体に痛みが走る。
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