意識

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司さんが自販機で飲み物を買ってきてくれた。 「優羽はミルクティーでよかったよね?」 「うん。 ありがとう。」 ゲームの熱が冷め、また少し緊張が戻ってきた。 「優羽って名前、珍しいよね。 まだ言い慣れない」 急に司さんがポツリと言った。 「え? まだ??」 司さんははっとして、 「いや、言いづらいってこと」 と言い直した。 そうかな。 周りからは逆に言いやすいって言われるのに。 「司さんは名字が名前みたい」 「うん。 よく言われる。 だから友達もみんな司って呼ぶよ」 「はは、下の名前忘れられてそう」 「ひでぇな」 緊張しているけどスムーズに会話できるようになってきた。 優羽は少しうれしくなって顔がほころんだ。
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