母の心

2/8
2518人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「あら、優羽ったら大分顔色良くなったじゃない」 午後、今日はお母さんだけが来てくれた。 お父さんは仕事に行ったらしい。 「どう? 司君とお話して少しは思い出せた?」 「う、うーん。 まだ。 何も」 思い出せないことが悪いことみたいな気になる。 「あ、オレ一旦家に帰って、また夕飯の時間帯に戻ってきますね」 司さんがふいにそう言い、ニコッと笑って席を立った。 「あら、せっかく一緒にお話できると思ったのに」 お母さんは相当司さんを気に入っているらしい。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!