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司さんがいなくなった後、お母さんが紙袋から梨を取り出し、ベッド横の小さな台の上で剥いてくれた。
「そういえばあんたの同僚の佐山さんも心配してたわよ」
「瑞希が?」
「うん、事故にあってから何回も電話くれて。
目が覚めましたか?って。
一応連絡しておいたからね。
上司の出張に同行してるらしくてすぐには会いに来れないらしいけど」
「そっか。
心配かけちゃったな」
瑞希は会社で一番仲が良い女友達だ。
歳は1つ上。
前職で人間不信になってた私に明るく声をかけ、優しくしてくれた。
若干過保護なくらい私を気にかけてくれるお姉さんみたいな存在だ。
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