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――多分、3年も司さんと付き合ってたんだから、とっくに克服していたんじゃないかな?
嫌悪感よりもむしろ大きな幸せを感じる優羽は、司さんのおかげで男性不信が治っていたんだと信じた。
――もしかして、私に記憶がないから以前の男性が苦手なままだと思って触れてこなかったのかな?
優羽はここにきて初めて、司さんが自分に触れなかった理由を見つけた気がした。
「優羽?」
司さんが頭上に顎をのせてささやく。
「優羽は自分の記憶が戻っても、今の気持ちのままだと思う?」
「ん~、そのままだよ、多分」
司さんは少し体を離し、おでこ同士をコツッと当てて、にこっと笑った。
「約束ね」
そう言って小さなキスをした。
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