2337人が本棚に入れています
本棚に追加
司さんは片手の手の甲で優しく優羽の頬に触れた。
そしてゆっくりと、触れるか触れないかくらいのキスをした。
あれ?
震えてる?
優羽は司さんの手と唇が少し震えているかのように感じた。
でもそれは自分なのかもしれない。
「今の私にとってのファーストキスだ」
優羽は顔が離れると、照れ隠しでそう言い、ハハッと笑った。
それを聞いた司さんは何だか悲しい顔をしたように見えた。
「いいの?
ファーストキスが病室で、しかもゲームの命令で」
「いいの。
大事なのは相手だから」
「……」
司さんは下をむいた。
表情がよく見えない。
最初のコメントを投稿しよう!