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「優羽、もうすぐご飯くるから起きて」
4日目の朝。
優羽は司さんに起こされた。
「わっ、お、おはよう……ございます。」
昨夜考えすぎて眠るのが遅くなったせいで、寝坊してしまった。
「寝顔可愛かったよ。
優羽」
さらりと言う司さんを小さく睨んだ。
朝食を食べ終わり、病室には静かなゆっくりとした空気が流れ始めた。
優羽は昨夜の自分の行動を思い出し、二人きりで沈黙の流れるこの雰囲気に妙な恥ずかしさを感じた。
「ねえ、優羽」
「な、何?
司さん」
「いろいろ思い出し始めてる?
俺のこと?」
「え??
何も……まだ」
「そっか」
「……ごめんなさい」
「いや、そんなんじゃなくて……ただ……」
「?」
司さんは、たまに見せる複雑そうな顔をした。
「正直、今、俺のこと……」
いつも余裕そうな司さんが少しおかしい。
――私の気持ちを知りたいのかな?
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